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消費者行動理論の一つ 多属性態度理論から考えるホームページ制作

2024
.01.18

消費者行動理論の一つ 多属性態度理論から考えるホームページ制作

ホームページ制作における最終目標は、多くの場合、訪問者を顧客に変えて問い合わせや購入などのコンバージョンを増加させることです。これを達成するために、ホームページではブランディングの強化、製品やサービスの認知度の拡大、そして機能性の向上など、さまざまな要素を追求していく必要がありますが、消費者行動理論の一つである「多属性態度理論」を考慮することも重要です。
多属性態度理論は、製品に対する消費者の態度が品質、価格、デザインなど複数の属性に基づいて形成されるという考え方です。消費者はこれらの属性を基に製品の購入やサービスの利用といった意思決定を行います。このプロセスは「多属性意思決定」と呼ばれています。
本コラムでは、ホームページを制作する際、これらの理論を活かすことで、消費者の製品やサービスに対する態度(※心理学では好き嫌いを「態度」と呼ぶ)や選択に対し、効果的に影響を与える方法について紹介します。

【目次】
1. 多属性態度理論とは
2. 多属性意思決定と消費者の選択
a.加算型
b.連結型
c.辞書編纂型
d.EBA型
e.分離型
f.感情依拠型
3. 多属性態度理論をホームページのコンテンツに応用する
a.消費者が重視している属性の評価を上げる
b.属性の重要度を変化させる
c.別の新しい属性を評価基準の一つに導入してもらう方法
4. 今回のまとめ

多属性態度理論とは

多属性態度理論とは、AIDMAやAISASなどが代表される消費者行動理論の一つで、製品は一つの属性ではなく複数の属性に対する評価を統合したものが、対象製品への態度であるというものです。例えば、ある有名自動車メーカーに対して好意的な印象を持っている二人がいる場合、一方はデザインと価格帯を評価しており、もう一方は機能とこれまでの歴史を評価している場合、同じ「好き」という感情を抱いていても評価する属性が異なります。また、多くの場合一つの属性ではなく複数の属性をもとに評価しています。
このように人は、モノに対して好き・嫌いを判断する上で多くの基準を統合して判断しているという考えを多属性態度理論といいます。
消費者の自社の製品に対する態度を変える上では、主に三つの方法があります。一つ目は消費者が重視している属性の評価を上げる、二つ目は属性の重要度を変化させる、三つ目は別の新しい属性を評価基準の一つに導入してもらう方法があり、いずれかを達成する上でデザインやテキストを通じて多くの情報を消費者に伝えることができるホームページと用いることは有効と言えます。

多属性意思決定と消費者の選択

多属性態度理論における複数の属性をもとに製品の購入など意思決定することを「多属性意思決定」と言います。多属性意思決定の代表的な6つの決定プロセスを紹介します。

加算型

製品のあらゆる属性を評価し、総合的に評価の高いものを選択するプロセスです。例えば、友人とランチに行く際に二つの飲食店で迷った際、A店が価格は60点・味は90点・お店のデザイン80点・居心地の良さ80点の合計310点と評価し、B店が価格は80点・味は80点・お店のデザイン90点・居心地の良さ70点の合計320点と評価した場合にB店を選ぶという意思決定プロセスです。

連結型

製品の各属性に最低基準を設定し、それらを充たすものを選択するプロセスです。先ほどの飲食店で、最低基準を70点と設定している場合はB店を選ぶという意思決定プロセスです。また、連結型の場合、他に選択肢に入りそうなお店があったとしても最低基準をクリアしたお店を認知した時点で意思決定されます。

辞書編纂型

消費者が一番重視している属性が最も優れているものを選択するプロセスです。
先ほどの飲食店で、味を最も重視している場合はA店を選ぶという意思決定プロセスです。

EBA(elimination-by-aspects)型

事前に各属性の基準が設定されており、1つでも基準を満たさない属性がある製品は選択しないというプロセスです。例えば、価格・味・お店のデザイン・居心地の良さというすべての属性において70点という基準がある場合、価格が基準を下回るA店は除外されてB店を選ぶという意思決定プロセスです。

分離型

事前に各属性の基準が設定されており、一つの属性が基準を満たした時点でその製品が選択されるというプロセスです。例えば、価格・味・お店のデザイン・居心地の良さというすべての属性において70点という基準がある場合、A店は価格の基準を満たしていませんが、味は基準を超えているためそのままA店が選ばれ、B店は検討されないという意思決定プロセスです。

感情依拠型

過去の購買・利用経験から好意的に感じているものを習慣的に選択するプロセスです。いつも友人とはB店を利用している場合は、そのままB店を選ぶという意思決定プロセスです。

これらの意思決定プロセスを比較すると、加算型は総合的な属性の評価により判断するため、複数の製品からより良い製品を選択する上では有効です。しかし、実際の意思決定場面では、多くの人が属性ごとに評価するプロセスを省略し、EBA型のような選択肢を切り捨てていく方法を使って少数にまで選択肢を絞り、加算型を用いて最終選択することが多いようです。そのため、ホームページに製品の情報を掲載する上では、まずは選択肢から切り捨てられることのないよう、意思決定の基準となる属性については例えその製品にとって強みとなる属性でなかったとしても触れるべきでしょう。
また、ホームページのデザインにおいても、ブランドイメージが浸透している場合以外はブランドイメージを損なわない範囲で個性を適度に抑え、UIで使いにくさやストレスを与えないよう工夫することで、選択肢から除外されるリスクを減らすことが可能です。

多属性態度理論をホームページのコンテンツに応用する

前述したとおり、消費者の自社の製品に対する態度を変える方法は、主に以下の三つがあげられます。
1.消費者が重視している属性の評価を上げる
2.属性の重要度を変化させる
3.別の新しい属性を評価基準の一つに導入してもらう方法
ここでは、三つの方法について実際のホームページの特徴について掲載されたページを見ながら、紹介していきます。

消費者が重視している属性の評価を上げる

ミオどうぶつ病院は、埼玉県さいたま市大宮区で地域密着型の動物病院です。動物病院の属性は利便性や施設の内外観などもありますが、大切な家族であるペットの命を預けるという目的があるため、安心感や信頼感を持てるかどうかが鍵になってきます。
こちらの動物病院の強みや特徴を紹介する「当院の特徴」ページでは、安心感や信頼感をアピールできるよう、丁寧な診察スタイルや幅広い診療内容、痛みの少ない治療についてテキストや図を用いて説明し、スタッフが穏やかな表情で動物や飼い主たちと接する様子の写真を掲載しています。これらの特徴だけでも十分なように感じますが、加えて予約システムやペットホテルについても掲載することで利便性についても担保されていることをユーザーに訴え、幅広い属性の評価に繋がっていると考えられます。

ミオどうぶつ病院 大宮「当院の特徴」ページ

属性の重要度を変化させる

COFFEE ROASTERY 101は、全国に向けてこだわりのコーヒー豆の販売を行うオンラインショップです。コーヒー豆の属性は品種や産地、焙煎方法のほか、オンラインショップという特性上、パッケージについても比較検討する人が多い分野です。
こちらのオンラインショップの強みや特徴を紹介する「コーヒー豆へのこだわり」ページでは、コーヒ豆を取り扱うオンラインショップであれば掲載される品種や産地、焙煎方法について記載されているだけでなく、パッケージについて詳細に記載することでパッケージの重要性についてユーザーに訴えています。これにより、品種・産地・焙煎方法などの属性だけでなくパッケージに関する優先順位を上げ、態度を変えさせる仕組みが施されています。

COFFEE ROASTERY 101「コーヒー豆へのこだわり」ページ

別の新しい属性を評価基準の一つに導入してもらう方法

カツべ歯科は大阪市の梅田駅近辺で営まれている歯科医院です。歯科医院の属性は、技術や経験などから生まれる安心感・信頼感や、通院するケースが多いため通いやすさなどが挙げられます。
こちらの歯科医院の強みや特徴を紹介する「当院の特徴」ページでは、安心感や信頼感をアピールできるよう、最新の医療機器を使った専門技術や、スタッフの教育体制、清潔に保たれた院内環境を紹介することにより、安心感・信頼感に繋げています。また、完全予約制であり待ち時間の少ない診察を行っていることを説明することで通院のしやすさもしっかりアピールされています。
加えて、こちらでは、メインのコンテンツとしてチーム医療の重要性が図を使って説明されており、新たな属性としてユーザーの判断材料の一つになるよう紹介されています。

カツべ歯科「当院の特徴」ページ

今回のまとめ

多属性態度理論と多属性意思決定は、消費者の製品選択に深く関連しています。多属性態度理論では、製品に対する消費者の態度は、デザインや価格、機能、歴史などの複数の属性に基づく評価の集合体であると考えます。一方で、多属性意思決定は、これらの属性を基にした意思決定プロセスを指し、加算型、連結型、辞書編纂型、EBA型、分離型、感情依拠型などが存在します。
ホームページの制作において、これらの理論を理解して活用することにより、消費者の意思決定に対して効果的に影響を与えることが可能です。例えば、ユーザーが重視する属性を強調することで、その製品に対する評価を高めることができます。また、新しい属性を導入し、消費者の製品に対する態度を変化させることも可能です。
そのため、まずはユーザーがどの属性を重要視しているかを理解し、それらをホームページ上で効果的に提示することが重要です。具体的には、製品の特徴や利点を明確に提示し、視覚的な要素や詳細な説明を通じて、それらを強調します。また、ユーザーのレビューや体験
談を掲載することで、製品の異なる属性に対する信頼性の向上に繋げることも可能です。このように、多属性態度理論と多属性意思決定をホームページ制作に応用することで、消費者が製品に対して肯定的な態度を持ち、購入や利用を決定する可能性を高めることができます。
これらの理論をホームページのデザイン、コンテンツ、UIに取り入れ、消費者の意思決定プロセスに合わせた効果的なコミュニケーション戦略を構築することにより、ブランドの認知度や顧客満足度の向上、さらにはコンバージョンの増加に寄与することが期待されます。

参考:研究論文「多属性意思決定における決定宝暦の認知的努力と正確さ:計算機シ意思決定論的検討ミュレーションによる行動」

 

AUTHOR

著者情報

執行役員 ディレクター

C.K.

不動産会社・人材派遣会社で営業職としての勤務を経て、株式会社オンカに入社。WEBディレクターとして名古屋港水族館やのんほいパークなど大規模なホームページを始めとして数多くのホームページ制作を企画・監修する。現在は取締役・ディレクターチームのマネージャーとして取り纏めや品質向上に努めている。

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