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ブランドをより魅力的に魅せるブランドカラーの決め方
2022
.10.28
私たちの生活の中にはさまざまなロゴが溢れています。コンビニやカフェ、スーパーやファストフード店など、多くの店舗がロゴを配した看板を掲げています。
多くの場合、ロゴのデザインには「ブランドカラー」と呼ばれるブランド独自に決められた色が使用されます。ブランドカラーは「会社のイメージカラー」として利用され、ロゴだけでなく、社内資料やチラシなどの販促物などでも使われる色となります。
ブランドカラーはブランドのイメージを左右する色で、色によって見る人に与える印象も異なります。今回はブランドをより魅力的に見せるためのブランドカラーの決め方を紹介していきます。自社商品などのブランドカラーを決めたいけど、どうやって決めればいいか分からないという方はぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1. ブランドカラーについて
2. ブランドカラーの決め方
a.ブランドの方向性や価値をまとめる
b.見る人に与えたい印象を言語化する
c.キーワードをマッピングする
d.ブランドカラーの検証
3. 色調が与える印象
a.赤
b.青
c.緑
d.黄
e.紫
6.今回のまとめ
ブランドカラーについて
ブランドカラーはブランドのイメージを左右する色です。色によってブランドに対する印象も大きく異なってきます。人に与えるイメージだけでなく、機能性を兼ね備えているカラーもあります。遠くから見やすい色であったり、他のブランドと区別しやすい色であったりなどです。特にブランディングにおいて、競合他社との差別化は非常に重要なポイントなので注意しましょう。
ブランドカラーの決め方
ここからはブランドカラーの決め方を紹介していきます。販促物などで利用していた色がそのままブランドカラーとして使われるなど、後天的にブランドカラーが決まる場合もありますが、今回は基本的なブランドカラーの決め方をまとめていきます。
ブランドの方向性や価値をまとめる
世の中にはさまざまなブランドがあり、それぞれに適したブランドカラーが採用されています。ひと口に飲食店のブランドと言っても、家族に親しみやすいファストフード店と高級なレストランでは使用されるブランドカラーの傾向が全く異なります。ファストフード店では彩度が高い色が使用されるのに対し、高級レストランでは落ち着いたトーンの色や黒などの無彩色が多く使用されます。ブランドの方向性や、イメージとして押し出したい独自の価値をまとめておくことで、適したブランドカラーの選定ができます。
見る人に与えたい印象を言語化する
ブランドカラーは先述の通り、販促物や商品パッケージ、ホームページなどで利用される色です。人の目に触れた場合、どんな感情になってほしいかをイメージし言語化しましょう。
高校生などの若者をターゲットにしたブランドであれば「明るい、ポジティブ、活発的、賑やか、カジュアル」など、イメージに関するキーワードを挙げていきます。
キーワードをマッピングする
次に、出てきたキーワードを分かりやすいようにマッピングしていきます。「日本カラー研究所」が開発した言語イメージスケールは、形容詞や形容動詞をSOFTとCOOL、WARMとCOOLの軸を持つマトリクス図にまとめています。これは私たちが色に対して持っている共通の感覚を統計的に示したもので、後述の「単色の配色スケール」「配色のイメージスケール」と相関が示されているものです。言語イメージスケールを使って、与えたい印象がどのエリアに多いかを確認しましょう。
参考:日本カラー研究所(http://www.ncd-ri.co.jp/image_system/imagescale.html)
ブランドカラーの検証
最後にブランドカラーを検証していきます。先のステップでは与えたい印象に対して、どの色が効果的・魅力的に見えるかが分かりました。その中からブランドカラーとしてふさわしい色をいくつか選定しておきます。
ブランドカラーはホームページのカラーとして使用されたり、プロダクトのパッケージ色として使用されることが多いため、選定したブランドカラーをホームページデザインなどに当てはめてみて、実際に与えたい印象に近いか検証します。個人では色に対する印象が異なることがあるため、実際にどんな印象を受けたか他の人にもヒアリングしてみましょう。
色調が与える印象
ここからは色調が与える印象を紹介していきます。ただし、実際には色調だけでなく、明度や彩度によっても印象が異なってくるため注意が必要です。
赤
赤はエネルギッシュな印象を与える色として使用されることが多いため、スポーツ系のブランドなどに使用されることが多い色です。また、生理作用に強く働きかける色であり、食欲を増進する色でもあるため、コカコーラなどの飲食系のブランドカラーとしても使用されることが多いです。明るいトーンになるほど活発でやる気に満ちたイメージを持たれ、落ち着いたディープトーンでは情熱的なイメージを持たせることができます。また、朱色などは日本の伝統カラーとしても利用されることが多く和風のイメージとしても使用されます。
■赤色のイメージ
愛情、情熱、食欲、情熱的、勝利、怒り、興奮、暑さ、危険など
青
青は最も好まれる色として知られており、海や空などのすっきりとした爽やかな印象を持たれる色です。そのため、コーポレートカラーとして使用することで、風通しの良さや誠実さをアピールすることができます。青は「みずみずしさ」を表すイメージが強く、ポカリスエットなどの清涼飲料水のブランドカラーなどに使用されます。グレイッシュな青色は北欧を連想させるカラーで、女性が好む色となります。ネイビーに近い青色は信頼性、堅実性を連想させるため、法律系のサイトなどで使用すると良いでしょう。
■青色のイメージ
知性、信頼性、堅実性、まじめ、冷たさ、悲しみ、臆病、みずみずしさ、爽やかさ、先進性など
緑
緑は自然なイメージが強い色で、安心感や穏やかな印象を持たれる色です。昨今、自然に優しい素材やサスティナブルな消費活動が注目されている背景もあり、ブランドカラーとして採用されることの多いカラーです。健康志向の食品や、アウトドアブランドのカラーとして使用されることが多く、穏やかな生命の育みを表現したいときに適したカラーです。明るいトーンでは爽やかさやナチュラルなイメージを作り、深みのある色では茶道の侘び寂びや禅の世界の和風なイメージを作ることができます。
■緑色のイメージ
自然、平和、エコ、健康的、リラックス、安らぎ、穏やか、癒し、未熟、調和、若さなど
黄
黄色は色相環の中で最も彩度の高い色であり、誘目性の高い色です。白背景の中では目立ちにくいですが、黒やグレーの背景色の中では最も目立つ色です。そのため、注意喚起を促す色として安全色に採用されています。太陽のような明るくポジティブなイメージとして使われることが多く、躍動感のあるブランドカラーとして使われることがあります。彩度の高いビビッドなカラーは子供のような活発さや躍動感を表現するのに適しており、明るいトーンであれば健康的な印象も与えます。
■黄色のイメージ
明るい、ビタミン、エネルギッシュ、希望、若さ、楽しさ、幼さ、注意など
紫
紫色は気品のあるイメージで、ジュエリーブランドや化粧品などのブランドカラーとして採用されることの多い色です。また神秘的で優雅なイメージを持たれやすく、インスピレーションを感じさせる色であるため、スタイリッシュで感性的なブランドイメージを持たせるために採用されることもあります。黒と組み合わせることでクールな印象やモダンな雰囲気を持たせたり、落ち着いたトーンで和風なイメージを持たせることもできるカラーです。
■紫色のイメージ
高級感、上品、気品、伝統、不安、嫉妬、感性、エキゾチック、繊細、不思議など
今回のまとめ
今回のコラムではブランドカラーの選び方を紹介しました。ホームページや商品パッケージとして使われるブランドカラーはブランディングにおいて非常に重要であり、ブランドの印象を左右する大きな要素です。今回紹介した内容を参考にブランドに適したカラーを選ぶようにしましょう。