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ウェブアクセシビリティ対応によって得られるビジネスメリット

2024
.10.31

ウェブアクセシビリティ対応によって得られるビジネスメリット

ホームページを制作・運用していく中で、ウェブアクセシビリティは避けて通れない課題です。しかし、そもそもウェブアクセシビリティについてよくわからなかったり、対応したホームページを制作するには工数が多くかかってしまうため、「中小企業だしそこまでやる必要ない」「他の企業も取り組んでいない」と後回しにしていないでしょうか。
ウェブアクセシビリティ対応は誰もが利用しやすいホームページを実現するだけでなく、ビジネスにおいても多くのメリットがあります。
本コラムでは、ウェブアクセシビリティの基本的な考え方とビジネスにおいてのメリットについて紹介します。

【目次】
1. ウェブアクセシビリティの基本的な考え方
2. ウェブアクセシビリティが注目された背景
3. ウェブアクセシビリティ対応によるビジネスメリット
a. SEO対策の向上
b. UX/UIの向上
c. ブランドイメージの向上
d. 市場の拡大
4. ウェブアクセシビリティの達成基準
5. 今回のまとめ

ウェブアクセシビリティの基本的な考え方

ウェブアクセシビリティは、利用者の環境にかかわらず、誰もがウェブコンテンツを利用できる状態やその程度のことを指します。ホームページ以外にもウェブアプリケーション、業務用システム、電子マニュアルなども対応すべきウェブコンテンツに含まれており、例えば、視覚障害を持つユーザーには音声読み上げ機能を使用しても問題なく必要な情報にアクセスできるようにするなど、配慮が求められます。
仮にターゲット層が限定的でも、誰もがアクセス可能なホームページを目指すことは重要です。性別、年齢、国籍、障害の有無に関わらず、あらゆる利用者にとって利用しやすいホームページを目指し、アクセシビリティの考え方を取り入れていくことが推奨されます。

ウェブアクセシビリティが注目された背景

ウェブアクセシビリティの考え方が普及するきっかけとなったのは、1999年に策定されたWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)です。このガイドラインは、インターネット技術の標準化を進めるW3C(World Wide Web Consortium)によって発表され、世界中でアクセシビリティ対応を意識したホームページ制作が広がるきっかけとなりました。
また、日本でも「JIS X 8341-3:2016」として国家規格が定められ、2024年4月には障害者差別解消法の改正により、障害者への合理的配慮が義務化されたことにより、さらにウェブアクセシビリティが注目されるようになりました。現時点では、ウェブアクセシビリティの対応は「環境の整備」として努力義務が課されていますが、法的な罰則がないからといって対応を後回しにするのではなく、今から対応を始めることでビジネスにおいても大きなメリットが得られます。

ウェブアクセシビリティ対応によるビジネスメリット

ウェブアクセシビリティ対応には、企業のホームページを「誰にとっても使いやすいホームページ」にする以上のビジネスメリットがあります。ここでは、特に注目すべき4つの効果について説明します。

SEO対策の向上

Googleは、インターネットを通じたサービスを提供する企業として、W3Cの標準化方針を重視しています。ユーザーにとってわかりやすく使いやすいホームページは、Googleのクローラー(ホームページのチェック・評価しているロボット)にとってもホームページの構造や内容を理解しやすく、評価されやすいため、ページランクの向上にもつながると考えられます。

UX/UIの向上

高齢者や障害のある方にも配慮したデザインの導入は、結果としてあらゆるユーザーにとって操作しやすいUI/UXの向上につながります。ウェブアクセシビリティを意識した設計によって、視覚的にわかりやすく、操作しやすいホームページに繋がり、ユーザー満足度も向上します。

ブランドイメージの向上

自社ホームページに「ウェブアクセシビリティ方針」を掲載し、ウェブアクセシビリティに関する取り組みについて公表することは、企業の社会的責任(CSR)を果たす姿勢として評価されます。また、企業のブランドイメージの向上に貢献し、ユーザーからの信頼を深めるきっかけとなります。

市場の拡大

アクセシビリティ対応により、従来のユーザー層に加えて新たな層へのアプローチが可能になります。特に、高齢者や障害を持つ方といった今までリーチが難しかったユーザー層にも利用可能なホームページを提供することで、潜在的な顧客層を広げるチャンスが生まれます。

ウェブアクセシビリティの達成基準

JIS X 8341-3:201では、ウェブアクセシビリティの達成基準として、レベルA、レベルAA、レベルAAAの3段階に分けています。具体的には、ページタイトルの設定、ナビゲーションのデザイン、画像のaltタグなど様々な基準を設けています。ホームページの品質向上を目指して、まずはレベルAから段階的に対応を進め、最終的にレベルAA、AAAを目指すことが推奨されます。
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)が発行する早見表なども参考に、自社ホームページの改善を計画的に行いましょう。

今回のまとめ

ウェブアクセシビリティの対応は、あらゆるユーザーにとって使いやすいホームページを実現するだけでなく、ビジネスにおいても多くのメリットをもたらします。SEO対策の向上、UI/UXの改善、ブランドイメージの向上、そして新たな顧客層の拡大が期待できます。法的な罰則がないからといって後回しにするのではなく、早期に取り組むことで、他社との差別化や持続的な成長にもつながるでしょう。

AUTHOR

著者情報

執行役員 ディレクター

C.K.

不動産会社・人材派遣会社で営業職としての勤務を経て、株式会社オンカに入社。WEBディレクターとして名古屋港水族館やのんほいパークなど大規模なホームページを始めとして数多くのホームページ制作を企画・監修する。現在は執行役員・ディレクターチームのマネージャーとして取り纏めや品質向上に努めている。

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  • 宅地建物取引士

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