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WEBデザインにおける引き算とWEBマーケティングの関連性
2023
.08.22
近年、スターバックスやApple、日産自動車などの企業ロゴが年々シンプルなデザインに変化しているほか、無印良品やユニクロなどのシンプルで洗練されたデザインの製品を取り扱う店舗が増加しています。それに伴い、ホームページのデザインもフラットデザインやミニマルデザインなどのシンプルなテイストの企業が年々増加していることから、無駄がなくシンプルなデザインを好むユーザーが増加していることが推測できます。そんな中、本当にアピールしたい要素が何か分からなくなるほど様々な情報を詰め込んだ足し算だらけのデザインのホームページも未だに多く見受けられます。
今回は、WEBデザインにおける引き算についてと、WEBマーケティングとの関連性についてご説明します。
【目次】
1. WEBデザインにおける引き算とは
2. WEBデザインにおける引き算の方法
3. WEBデザインにおける引き算とWEBマーケティングの関連性
a.企業ブランドの醸成
b.企業の課題解決
c.ユーザビリティの向上
4.今回のまとめ
WEBデザインにおける引き算とは
WEBデザインにおける引き算とは、必要な情報を分かりやすくユーザーに伝えるためのデザイン手法です。全体のバランスを見ながら不要な要素を削ぎ落とすことにより、情報過多で分かりづらいホームページとなってしまうことを避け、無駄がなく分かりやすいホームページを制作することが可能です。
上手に引き算されたWEBデザインにするためには、大前提としてホームページを制作する目的の本質を見抜くことが重要なポイントとなります。ホームページの制作目的を把握できていない場合、情報の優先順位付けを正しく行うことができず、何を伝えたいのか分かりづらいホームページとなってしまうため、ホームページの制作目的を正しく理解できるよう、デザインに入る前に必ず企業の課題を分析しましょう。
WEBデザインにおける引き算の方法
クライアントから「このような情報も記載したい」「この部分を目立たせたい」というような要望をいただいた時、その言葉をそのまま受け止めて足し算してしまっていませんか?要望のまま足し算をしてしまった場合、情報を詰め込みすぎて何が重要な情報なのかが分からず、求めている情報まで辿り着きづらくなるだけでなく、つぎはぎのようなまとまりのないデザインになってしまうおそれがあります。分かりやすく重要な情報が伝わりやすいホームページにするためにも、クライアントから言われた要望をそのまま受け止めて足し算してしまうのではなく、引き算を上手に活用しましょう。
具体な引き算の方法として、重要な情報以外のコンテンツのトーンを控えめにする方法があります。カラフルなホームページの中にある赤色のボタンよりも、モノトーンのホームページの中にある赤色のボタンの方が見つけやすいように、ユーザーは誘目性が高いコンテンツに自然と視線移動します。コンバージョンに繋がるボタンなどの誘目性を高めるためにも、重要なコンテンツ以外は控えめなカラーにするなどの工夫を施しましょう。
また、余白を広めにとることも引き算の一種です。余白が狭く情報が詰め込まれているように見えるホームページよりも、一つひとつのコンテンツの間に適切に余白が設けられている方がコンテンツの区切り目も分かりやすいだけでなく、上品で洗練されたホームページとなります。
他にも、掲載する情報をそのままデザインに落とし込む前に、コンテンツの優先順位を検討し、優先順位が高い情報ほどコンテンツ幅を大きく確保したり、ページ上部に配置したりすると良いでしょう。
WEBデザインにおける引き算とWEBマーケティングの関連性
WEBマーケティングとは、ホームページを活用してユーザーを集客し、新規顧客やリピーターを獲得するためのマーケティング活動のことを指します。
本項では、WEBデザインにおける引き算とWEBマーケティングの関連性について3つご説明します。
企業ブランドの醸成
複数の事業を幅広く取り扱うよりも、特定の事業に特化している企業の方が、狙う市場や企業イメージにブレがなく顧客を獲得しやすいように、ホームページにおいても様々な色やフォントを使用したホームページより、制作目的やペルソナに合わせてデザインコンセプトが定まっているホームページの方が狙っているターゲット層に響きやすく、企業ブランドの醸成にも繋がります。企業の立ち位置や強み、弱み、競合との差をよく分析した上で使用カラーやフォントを検討し、企業イメージに合ったデザインのホームページを制作しましょう。
企業の課題解決
ホームページは、「企業の認知度を上げたい」「コンバージョン数を伸ばしたい」「採用を強化したい」などの企業が抱える課題を解決へ導くために制作する販促ツールです。そのため、例えば資料請求のコンバージョン率向上を目標としている場合は、以下のようなデザインを行うことでコンバージョンまでの導線を確保することが可能です。
◼︎グローバルナビゲーション内に、他のページリンクよりも目立つデザインで資料請求フォームへのリンクを設置する。さらに、スクロール後もグローバルナビゲーションを上部に固定する。
◼︎下層ページを一通り見終えたユーザーがすぐに資料請求できるよう、フッターにも目立つデザインで資料請求フォームへのリンクを設置する。
関連ページ:コンバージョン率・UI/UXを高めるデザイン
関連記事:マーケティングにおけるデザイン=課題解決という考え方
ユーザビリティの向上
足し算だらけのデザインにしてしまうほどホームページが複雑化し、ユーザーが情報を理解するまで時間がかかってしまい、その結果、離脱に繋がってしまうおそれがあります。そのため、ホームページを制作する際は企業が伝えたい情報やユーザーが求めている情報を取捨選択し、可能な限りシンプルな構成でまとめましょう。シンプルな構成はユーザーが情報を理解しやすくなるだけでなく、ユーザビリティの向上にも繋がります。
関連記事
ホームページのユーザビリティを向上させるWEBデザインのポイント
ユーザビリティの向上に最適!フラットデザインのホームページ5選
今回のまとめ
WEBデザインにおける引き算とは、必要な情報を分かりやすくユーザーに伝えるためのデザイン手法で、足し算とは華やかに見せるために装飾を足したり、ユーザーにサービスを訴求するためにセールスコピーを足したりする手法のことを指します。
WEBデザインを学び始めて間もないWEBデザイナーの方は、ユーザーに企業の強みやサービスを少しでも多くアピールするためについ足し算してしまいがちですが、足し算のしすぎは情報過多なホームページとなってしまい、ユーザーが情報を理解することを諦め、離脱に繋がってしまうおそれがあります。また、全ての要素を強調したデザインにしてしまうと、本当に目立たせたい要素が埋もれてしまうだけでなく、雑多な印象や安っぽい印象が感じられるホームページとなってしまいます。
目立たせたい要素を目立たせることはもちろん重要ですが、足し算だらけのWEBデザインはWEBマーケティングを行う上で逆効果となってしまうこともあります。必ずしもシンプルなデザインでなければならないわけではありませんが、ホームページからの集客を成功させるためにも、ターゲット層やホームページを制作する目的などを踏まえ、適切なWEBデザインを行いましょう。