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ホームページの検索順位に直結するGoogle検索ランキングシステムガイド
2022
.12.08
2022年11月21日、Googleの公式ブログ「Google検索セントラル」でGoogle検索システムに新たなガイド「Google検索ランキングシステムガイド」が発表されました。
このガイドは、Googleがこれまでに導入・実施してきたシステム・アップデートをまとめたもので、ホームページを検索結果の上位に表示させるにおいてどれも理解しておきたい内容ばかりです。
そこで今回は、このGoogle検索ランキングシステムガイドの中から代表的なシステムの概要をご紹介します。
【目次】
1.BERT
2.MUMシステム
3.災害情報システム
4.完全一致ドメインシステム
5.フレッシュネスシステム
6.ヘルプフルコンテンツシステム
7.リンク分析・PageRankシステム
8.ニューラルマッチング・RankBrain
9.オリジナルコンテンツシステム
10.商品レビューシステム
11.ページエクスペリエンスシステム
12.パッセージランキングシステム
13.サイトの多様性システム
14.廃止されたシステム
15. 今回のまとめ
BERT
BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleが開発した言語処理技術のことです。従来の言語処理技術と比較して文章のニュアンスや文脈を理解する能力に優れており、2019年10月に米国の検索システムに、同年12月に日本語を含む70言語以上の検索システムに導入されました。
このシステムが導入されたことで、「誰かのために薬局で薬を受け取れますか?」という口語型・長文のクエリに対し、関連性の高いホームページを検索結果の上位に表示することができるようになりました。
MUMシステム
MUM(Multitask Unified Model)は、言語の意味を理解し、質問に対して正答な文章を生成するAIシステムです。2022年12月時点では、すべての検索システムに反映されていませんが、Googleの発表によると前述のBERTを大幅に超える処理能力を有しており、文章だけでなく画像も理解することもできるとのことです。
災害情報システム
災害情報システムは、自然災害の発生時やユーザーの危機的な状況に陥る場合に、検索結果上に有用でタイムリーな情報を提供するシステムで、2013年 3月に導入されました。
地震や津波、洪水、ハリケーンなどの災害発生時には、地方自治体や国家機関、国際機関の最新情報やホームページ、緊急電話番号などが表示されます。
また、自殺や性的暴行、毒物・薬物関連の検索クエリが入力された場合は、ユーザーが危機的状況にあると検索システムが判断し、ホットラインや信頼できる組織が提供するコンテンツを表示されます。
完全一致ドメインシステム
完全一致ドメインシステムとは、ユーザーが入力した検索クエリと関連性の高いドメイン名のホームページを検索結果の上位に表示させるシステムで、2012年9月に導入されました。例えば、「amazon」という検索クエリであれば「amazon.com」「amazon.co.jp」のようなドメインが該当し、検索結果上に表示されやすくなります。
しかし、このシステムを悪用し、意図的に特定の検索クエリに関連付けたドメイン名は、このシステム評価の対象外となります。例えば、「名古屋 カフェ ランチ おすすめ」のクエリで検索結果の上位を狙うために「nagoya-cafe-lunch-recommendation.com」のようなドメインを登録しても、完全一致ドメインシステムの評価の対象外となります。
フレッシュネスシステム
フレッシュネスシステムは、検索結果上に最新の情報が表示される必要がある特定のキーワードにおいて、コンテンツの鮮度が高いホームページを検索結果の上位に表示させるシステムで、2011年11月に導入されました。
最新の出来事や話題のニュース、災害情報、イベントなどと関連する、地震や津波、オリンピック、ワールドカップ、選挙などのクエリが該当します。
ヘルプフルコンテンツシステム
ヘルプフルコンテンツシステムは、Googleからの評価向上のみを目的として作成されたコンテンツの評価を調整するシステムで、2022年8月に導入されました。
導入からまだ日が浅く新しいシステムのように感じるかもしれませんが、過去にも似たようなシステム・アップデートは幾度となく導入・実施されており、例えば、パンダアップデートやペンギンアップデートなどがこれに該当します。
Googleは、検索エンジンを提供し始めた初期の頃から「ユーザーファースト」をポリシーにサービスを提供しており、今後もヘルプフルコンテンツシステムはさらにアップデートされていくことが予想されます。
リンク分析・PageRankシステム
リンク分析・PageRankシステムは、Googleが検索エンジンサービスを提供し始めた初期から存在するシステムです。
Googleは、発リンク先・被リンク元ホームページの内容も判断した上でホームページの評価を決定しており、本ブログで紹介しているGoogle検索システムの内容なども踏まえてPageRankという点数をホームページに付与しています。この点数に応じてホームページの検索順位が決定されるため、ホームページの運営において重要な要素の一つです。
なお、このPage Rankは、Toolbar PageRankというツールで確認することができましたが、2013年以降は確認することができなくなりました。
ニューラルマッチング・RankBrain
ニューラルマッチングは、検索システムがユーザーの検索意図を理解し、該当の検索クエリが含まれていなくても関連性が高いホームページを検索結果に表示するAIシステムで、2015年10月に導入されました。
例えば、「日本 国歌」とGoogleの検索窓に入力すると「君が代」のwikipediaが表示されます。これは、日本の国歌が君が代であることを検索システムが理解しており、ユーザーが本当に欲しい情報を検索システムが判断することができるため、検索クエリに君が代が含まれていなくても、該当のページが表示されます。
オリジナルコンテンツシステム
オリジナルコンテンツシステムは、他のホームページの焼き回しではなく、独自性の高いコンテンツが記載されているホームページを検索結果の上位に表示させるシステムのことです。他のホームページと同じテーマを扱う場合は、独自の体験談やノウハウを記載することで、Googleから高い評価を受けることができます。
商品レビューシステム
商品レビューシステムは、商品・サービスを紹介するページにおいて質・独自性が高いホームページを評価するシステムのことで、2021年4月に導入されました。
商品・サービスの提供元ホームページに記載されている紹介文をそのままコピペしたようなホームページや、その商品・サービスを利用していないにもかかわらず偽りのレビューを行っているホームページなどの評価が低下します。
前項のオリジナルコンテンツシステムと内容が似ており、Googleから高い評価を受けるためには、コンテンツの質・独自性が必要不可欠です。
ページエクスペリエンスシステム
ページエクスペリエンスシステムは、「コアウェブバイタルズ」「HTTPS」「モバイルフレンドリー」「煩わしいインターフェース」の指標を評価するシステムのことで、2021年の6月に導入されました。すべての項目が、ホームページの使いやすさ・見やすさ・操作性といったUX/UIと密接な関係にあります。
コアウェブバイタルズの各指標「LCP」「FID」「CLS」はPage Speed Insightで、モバイルフレンドリーの評価はモバイルフレンドリーテストで、インターフェースに関するGoogleからの評価は、Google Search Consoleからその一部を確認することができます。
パッセージランキングシステム
パッセージランキングシステムとは、ページ内のコンテンツの一部のみを対象とし、検索クエリとの関連性を評価するシステムで、2021年12月に導入されました。
従来は、一つのページに書かれているコンテンツ全体を評価し、検索クエリと関連性が高いホームページを検索結果の上位に表示していました。このシステムが導入されたことで、一つのページに様々なコンテンツが記載されていたとしても、関連性が高ければGoogleから高い評価を受けることができるようになりました。
例えば、「SEO」という検索クエリであれば、従来はSEOのみにフォーカスしたコンテンツが評価されていました。今後は、一つのページにSEOやデザイン、WEBライティングなどの様々なコンテンツが記載されていたとしても、ページ全体での評価ではなくSEOのコンテンツ単体で評価を受けることができるということです。
サイトの多様性システム
サイトの多様性システムとは、同一ドメインが検索結果の上位を占めることがないようにある検索クエリに対して同一ドメインのホームページが2つ以上表示されないように制御するシステムです。例外として、会社名やサービス・商品名などの特定のクエリでは、同一ドメインから複数のページが表示されます。
廃止されたシステム
前項までは、Google検索システムに実装されている代表的なシステムを紹介しました。
Googleは、検索結果に多大な影響を与えるアルゴリズムを幾度も実施しており、その中から廃止された代表的なアップデート・システムを以下に記載します。
そのシステムが独立して存在しないという意味での廃止であり、他のシステムやコアランキングシステムに組み込まれているだけでシステムそのものは現在もGoogle検索システムで動いています。
- ハミングバード
- モバイルフレンドリーランキングシステム
- ページの表示速度システム
- パンダシステム
- ペンギンシステム
- セキュアサイトシステム
今回のまとめ
今回のブログを読むことで、Google検索システムに導入されている様々なシステムの概要をご理解いただけたかと思います。今回のブログでは、あくまでもGoogleが公表している代表的なシステムを紹介しているだけ、検索エンジンの裏側では膨大な数のアルゴリズム・システムが複雑な処理を繰り返し、それを検索結果として返しています。
ホームページの検索順位を決定するのはGoogleです。検索エンジンに導入されているシステムを正しく理解し、ホームページを制作・運用することが、SEO対策・ホームページを検索結果の上位に表示させるための第一歩です。
また、本ブログで「廃止されたシステム」として記載したものは、システムそのものがなくなった訳ではなく、他のシステムやコア・ランキングシステムの一部として組み込まれているだけであり、軽視して良い訳ではないことに注意してください。