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ホームページの種類や業界ごとのCVR(コンバージョン率)の平均について
2025
.07.02

ホームページを運用・改善する上で欠かせない指標のひとつが「CVR(コンバージョン率)」です。CVRは、ユーザー行動の最終的なゴール達成率を示す数値として、ホームページの課題発見や改善施策の効果検証に役立ちます。
しかし、CVRは業種やホームページの目的によって様々であるため、「高い・低い」を一律に判断することはできません。そのため、自社ホームページのCVRを評価する際は「業界別」「ホームページ種別」といった切り口で平均値と比較する視点が大切です。
そこで本記事では、ホームページの種類や業界ごとの平均CVRを紹介しながら、適切な判断基準と改善のヒントを整理していきます。
【目次】
CVR(コンバージョン率)とは
CVRとは、ホームページを訪れたユーザー(セッション)のうち、商品の購入や資料請求などの成果(コンバージョン)に至った割合を示す指標です。具体的には、以下の式で算出されます。
CVR = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100(%)
コンバージョン数は、ホームページの目的によって定義が異なります。例えば、ECサイトであれば「商品の購入」、BtoBのホームページであれば「問い合わせ」や「資料請求」、塾やスポーツジムのホームページであれば「体験申込」などが該当します。そのため、CVRは単に数値だけを見て比較するのではなく、自社ホームページにおける目的やゴールにあわせて確認する必要があります。
また、CVRは取り扱う商材の単価や、ユーザーの意思決定までに要する期間の長さによっても大きく異なります。例えば、数千円で購入できる生活雑貨と、数百万円規模の不動産や法人向けサービスとでは、CVRに数倍以上の差が生じることがあります。
ホームページの種類別に見るCVRの傾向
CVRの平均値はECサイトやLP、採用サイトなど種類によって変化します。本章では、ホームページの種類別にCVRを紹介します。
ECサイト
ECサイトの平均CVRは1〜3%程度です。ただし、取り扱う商品の単価やジャンルによって大きく変動します。価格が安く衝動買いしやすい商品ほどCVRは高く、高額商材や検討期間が長い商品は低くなる傾向があります。
また、リピート率が高い商品を扱うホームページでは、既存顧客の再購入によってCVRが安定的に高くなる傾向があります。数値だけでなく、商品の価格帯や購買行動の傾向もあわせて評価することが重要です。
サービスサイト
ユーザーからのお問い合わせ・サービスの申込を目的としたサービスサイトの平均CVRは0.5〜2%程度であり、業界・業種によって数値に差があります。
また、上記のコンバージョン数だけでなく、資料のダウンロードやセミナーの申込など、コンバージョンの前段階となる「マイクロコンバージョン(マイクロCV)」も設定・確認することが重要です。「マイクロコンバージョン」を設定することにより、ユーザーがコンバージョンに至るまでの、どの段階で離脱しているのかを把握し、ホームページ内の動線改善に役立てることができます。
LP(ランディングページ)
LPは、広告からの流入を前提に設計されており、特定の訴求に絞った内容で作ることが一般的であるため、CVRは2〜5%と比較的高くなります。
不要な情報を削ぎ落とし、ユーザーの関心を一点に集めることで、効率よくコンバージョン(資料請求や購入など)に繋げることができ、比較的高いCVRを狙いやすいフォーマットです。
採用サイト
ユーザーの採用エントリーを目的とした採用サイトの平均CVRは0.5〜2%程度であり、業界・業種によって数値に差があります。
ただし、アクセス数が不足している場合は、CVRが高くても目標の応募数が得られないことがあるため、広告の出稿やコンテンツマーケティング等の施策を行い、露出を増やし、まずは十分なアクセス数を獲得することが重要です。
ホームページの業界別に見るCVRの傾向
CVRの平均値は業界によっても変化します。本節ではホームページの業界別にCVRを紹介します。
不動産業界
不動産業界のホームページの平均CVRは1.0〜2.5%程度です。不動産は高額で慎重な意思決定が求められる商材のため、コンバージョン(問い合わせや来店予約)までの検討期間が長く、即時の成果に繋がりにくい傾向があります。そのため、CVRを確認する際は、資料請求や物件のお気に入り登録といったマイクロコンバージョンもあわせて確認することが重要です。
美容・医療業界
美容・医療業界のホームページの平均CVRは2.0〜5.0%程度です。特に地域密着型のクリニックやサロンでは、指名検索やニーズの明確な訪問が多いため、CVRがさらに高くなる傾向があります。そのため、アクセス数が少ない場合でも、来店予約や初診予約、再診予約など明確なアクションに結びつきやすいという特徴があります。
製造業
製造業のホームページの平均CVRは0.3〜1.0%程度です。製品に関する仕様の確認や見積りの依頼に専門的な知識を要することが多く、ユーザーにとってお問い合わせのハードルが高くなる傾向があります。
そのため、導入事例や技術資料などのコンテンツを設け、ユーザーの興味関心を促す工夫が重要になります。
教育業界
教育業界のホームページの平均CVRは1.5〜4.0%程度です。資料請求や無料体験の申し込みなどコンバージョンに対するハードルが比較的低いことに加え、ユーザーの興味関心が明確であるため、CVRは比較的高い傾向があります。
CVRを正しく比較するための注意点
CVRはホームページの成果を測る重要な指標ですが、正しく比較・評価するためにはいくつかの注意点があります。
流入経路ごとのCVRを分けて確認する
広告やSNS、自然検索など、流入経路によってユーザーの関心度や行動特性が異なることが想定されます。そのため、ユーザーの各流入経路のCVRも確認するなど、ユーザーの属性にあわせた分析を行うことが重要です。
ホームページによってコンバージョンの定義が異なる
そもそもコンバージョンの定義はホームページを運用する目的によって異なります。例えば、「資料請求」と「購入」ではユーザーの行動のハードルが大きく異なるため、それぞれのCVRにも大きな差が生じます。
本ページに掲載したようなCVRの数値はあくまで一例であるため、自社のホームページの運用目的や目標の数値と照らし合わせて数値を分析しましょう。
長期的な視点もあわせて確認する
Googleのアルゴリズムアップデートやキーワードの検索ボリュームの一時的な増加などの影響で、突発的にCVRが向上したり、下落することがあります。そのため、CVRの値に一喜一憂するのではなく、LTV(顧客生涯価値)(※1)やCAC(顧客獲得単価)(※2)など、より長期的な視点もあわせて確認することで、ホームページの運用状況や施策の本質的な評価を行いましょう。
※1:顧客一人あたりが取引を開始してから終了するまでの間に、企業にもたらす利益の総額を指します。
※2:一人の顧客を獲得するために企業が費やしたコストを指します。
今回のまとめ
CVRの数値は、ホームページの成果を可視化する上で非常に重要な指標です。しかし、数字だけを見て一概に高い・低いと判断するのではなく、自社の業界やホームページの種別、流入経路などの背景も踏まえて判断することが大切です。
また、ホームページのCVR を分析する際は、あらかじめホームページを訪れたユーザーのゴールや、どれくらいの数値を目標にするかを決めておくことで、効率的に運用方針や施策の見直しを行うことが可能です。
CVRを確認し、平均より低いCVRの場合は「改善の余地がある」と捉え、適切な見直しを行うことで、成果を大きく伸ばせるよう努めましょう。
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