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ホームページのアクセス解析に頼りすぎたマーケティングが危険な理由

2019
.11.06

ホームページから集客するために欠かせないものが、制作した後のマーケティングです。制作したばかりのホームページを、そこから集客力を備えたものに昇華させていくためには、アクセス解析を行いながら、一つひとつボトルネックを潰していくことが重要です。
こうしたデータ解析ができるのも、Webならではの強みだと思います。しかし、ホームページのアクセス解析に頼りすぎたマーケティングを行うことは、非常に危険なことだとも考えています。
今回は、そんなホームページのアクセス解析に頼りすぎたマーケティングを行うことが危険な理由をお伝えします。

【目次】
1.ホームページは解析しながら育てていくもの
2.アクセス解析で得られる情報だけで判断する危険性
 a.アクセス数
 b.PV数
 c.セッション時間・ページ滞在時間
 d.コンバージョン率
 e.離脱率・直帰率
3.アクセス解析を参考にトライ&エラーを繰り返すことが重要
4.Webのアクセス解析が不十分な4つの理由
 a.Webの解析は精密な解析ができない
 b.Webのデータはブラックボックスな部分が多い
 c.他社のデータを流用できない
 d.Webマーケティングの歴史が浅い
5.今回のまとめ

ホームページは解析しながら育てていくもの

そもそも大前提として、ホームページからの集客には、アクセス解析が必要不可欠です。制作会社は、マーケティング視点でホームページを制作し、最も効果が出るだろうと想定されるホームページを納品しています。しかし、それはあくまでも机上の空論であり、実際に公開してから判明することも少なくありません。
そのため、アクセス解析を繰り返し行い、ユーザーの離脱原因を一つひとつ潰して行くことで、公開時は70点だったホームページを、100点目指して押し上げて行くことが重要です。

アクセス解析で得られる情報だけで判断する危険性

上述のとおり、ホームページのマーケティングにはアクセス解析は非常に重要ですが、そのデータに頼りすぎたマーケティングは、時に誤った経営判断を誘ってしまいます。
ここでは、アクセス解析で使われる代表的な指標を挙げながら、データに頼りすぎたマーケティングの危険性をお伝えします。

アクセス数

最も定番の数値といっても過言ではないアクセス数は、ホームページにどれだけの流入があったのかを知るための指標です。一般的に、アクセス数が多ければ良いホームページ、少なければ悪いホームページと判断されがちです。
しかし、アクセス数が多くても、自社のスタッフによるアクセスかもしれませんし、どこかの営業マンがセールスのためにアクセスしたのかもしれません。アクセス解析では、誰が何の目的でアクセスしたのかまでは明確に解析できず、あくまでもアクセスされた数のみを手掛かりに推測するしかありません。

PV数

次に、PV数(ページビュー数)は、ホームページを訪れたユーザーが、その中で何ページ回遊したのかを知るための指標です。こちらも、その数が多ければ良いホームページ、少なければ悪いホームページと判断されがちな指標です。
しかし、PV数が多くても、コンテンツに興味があったからどんどん読み進めたのか、それとも欲しい情報がなかなか見つからずに迷子になっていただけなのかがわかりません。また、コンテンツマーケティングを頑張っているホームページでは、ブログ記事をたくさん読んでもらえるようになりますが、その分、そのブログだけを読んで満足し、直帰するユーザーの数も多いため、PV数は少なくなります。

セッション時間・ページ滞在時間

セッション時間は、ユーザーがホームページ全体にどれだけの時間滞在したか、ページ滞在時間は、ユーザーが該当のページにどれだけの時間滞在したかを知るための指標です。こちらも、その時間が長ければ良いホームページ、短かければ悪いホームページと判断されがちな指標です。
しかし、セッション時間は、最後に到達したページの閲覧時間は0秒とカウントされます。ページ滞在時間は、そのページが最後に到達したページである場合、閲覧時間は0秒とカウントされません。そのため、セッション時間が仮に5分であったとしても、その中には最終ページの閲覧時間が含まれていないため実際は5分よりも長いはずですが、明確なセッション時間まではわかりません。また、ユーザーが該当のページだけを見て直帰した場合、ページ滞在時間は0秒としてカウントされるため、平均ページ滞在時間が狂い、正確な数値を知ることができません。
加えて、コンテンツマーケティングを頑張っているホームページでは、ブログ記事をたくさん読んでもらえるようになりますが、その分、そのブログだけを読んで満足し、直帰するユーザーの数も多いため、セッション時間・ページ滞在時間ともに減少します。
 
関連記事:株式会社オンカ「ホームページの平均セッション時間と平均ページ滞在時間を理解する」

CVR

コンバージョン数は、ホームページからどれだけのアクション(問い合わせや資料請求など)があったかを知るための指標です。そのコンバージョン数をアクセス数で割った数値をCVR(コンバージョン率)と呼び、アクセスしたユーザーのうち、どれだけの割合がコンバージョンまでたどり着いたのかを知るための指標です。
コンバージョン数は、すべてホームページ上でのアクションですので、電話番号を入力して直接電話してきたユーザーの数はカウントされません。また、間違えて複数回電話や問い合わせを行ったユーザーがいれば、その分多くカウントされてしまいます。その他、営業電話やメールがあると、その数もコンバージョン数に含まれてしまいます。
加えて、上述のとおり、分母となるアクセス数は、自社スタッフや営業マンのアクセスも含まれるため、見込み客だけをふるいにかけた正しい数値を把握することはできません。

離脱率・直帰率

離脱率は、ユーザが該当ページから離脱した割合です。また、直帰率は、ユーザーが該当ページに最初に訪問し、他のページに遷移することなく、そのページのみを閲覧しただけで離脱してしまった割合です。(例えば、ユーザーがAページを最初に見て、そのまま離脱した場合は、離脱率・直帰率ともに100%になります。Aページを閲覧して、その後にBページに遷移して離脱した場合、Aページは離脱率・直帰率ともに0%、Bページは離脱100%で直帰率0%となります。)
この離脱率・直帰率は、一般的に低ければ良いページ、高ければ悪いページと判断されがちです。
しかし、コンテンツマーケティングを頑張っているホームページでは、ブログ記事をたくさん読んでもらえるようになりますが、その分、そのブログだけを読んで満足し、直帰するユーザーの数も多いため、離脱率・直帰率は増えます。また、自社スタッフや営業マンの閲覧が多いページも、離脱率・直帰率は増える傾向にあります。しかし、見込客だけに絞った、正確な離脱率・直帰率を把握する方法はありません。

アクセス解析を参考にトライ&エラーを繰り返すことが重要

アクセス解析は、あくまでも正確な数値ではないことを十分に理解し、その結果をもとに事実を推測するために使用します。そして、その推測した事実に基づいて、必要と考えられる修正や施策をホームページに施していきます。
アクセス解析では明確な数値を得られない以上、トライ&エラーで修正や試作を繰り返し、効果がなかったものは撤退し、効果があったものを継続するという愚直な姿勢で取り組むことが重要です。
なお、そのトライ&エラーは、一つずつゆっくりと進めて行くことが重要です。一度にたくさんのトライを行えば、仮に上手くいったとしてもどれが効いているのかがわからないため、結果的にどんどん迷走していってしまいます。また、修正や施策の結果が季節的な要因かもしれませんし、たまたまかもしれないため、すぐに効果がない(または効果がある)と判断するのではなく、一定期間は様子を見ながらそのまま運用して見ることが大切です。

Webのアクセス解析が不十分な4つの理由

最後に、なぜWebのアクセス解析はこれほど不完全な解析なのでしょうか。これだけWebのツールが豊富にある時代にも関わらず、正確なデータを得ることができないのには4つの理由があります。
(わかりやすくするために、ここでは医療とWebマーケティングの二つの業界を対比しながら解説します。)

Webの解析は精密な解析ができない

一つめの理由は、Webの解析には精密な解析が存在しないことが挙げられます。
Webマーケティングは、現状の検査・分析を行い、悪い部分を一つずつ叩いて行くことから、しばしば医療に例えられます。しかし、Webマーケティングは医療とは大きく異なり、簡易的な検査しか存在しません。医療の世界であれば、血液検査や尿検査で異常な数値が見つかれば、次は大きな病院でMRIやCTスキャン、X線検査などの最新設備で原因が見つかるまでとことん精密検査を行うことができます。
しかし、Webマーケティングにはこういった精密検査のようなものは存在せず、血液検査のような簡易的な検査結果の数値だけをもとに、その原因と改善策を割り出さなければなりません。せいぜい、Googleアナリティクス、Googleサーチコンソール、ヒートマップツールなどの診断ツールを用いる方法しかなく、そこから得られるデータのみをもとに、想像を膨らませて修正や施策を行うしかありません。

Webのデータはブラックボックスな部分が多い

医療の世界では、世界中の学者や医師が研究した結果や診療技術を、論文という形で共有されています。医療業界が一丸となって協力し、好事例をどんどん共有することで、世界が一つになって医療レベルの向上を図っています。
しかし、Webマーケティングにおいては、好事例や研究結果を共有し合うことはありません。Webマーケティングは、あくまでも他社を出し抜くビジネスの世界で取り入れられるため、その成功例や失敗例は社外に公表されることはありません。
また、医療とは異なり、Googleという民間企業がWebの世界を取り仕切っており、検索エンジンの利便性と公平性を確保する観点から、検索アルゴリズムの仕様は公開されていません。そのため、どんな修正や施策を行えば効果が出るのか、逆に効果が出ないのかの答えが意図的に隠されており、その答えに完璧にたどり着くことは不可能に近い世界です。

他社のデータを流用できない

上述のとおり医療の世界では、たくさんの研究結果などが論文として共有されており、業界全体の医療レベル向上を目指していますが、世界中の人類は、体の構造がほとんど同じだからこそできることです。例えば、アメリカで行われた脳梗塞の研究は、日本人や南アフリカ人の治療に対しても適用することができます。人それぞれ姿形や生活環境が多少違えど、人間の体(特に臓器)の構造は同じなため、あらゆる情報を共有することができます。
しかし、Webマーケティングの世界は、一言でホームページとはいっても、その地域や業界、ターゲット層、商品、ホームページの規模、デザインなどによって、どんな修正や施策が効果的なのかが全く異なります。他のホームページの好事例はブラックボックスにされて共有されないばかりか、仮に知ることができたとしても、そのまま流用できるものはほとんどありません。

Webマーケティングの歴史が浅い

医療の歴史は、紀元前2600年、エジプトでイムホテプという学者が200に及ぶ病気と治療法の医療論文を作成した頃まで遡ります。その後もヒポクラテスなどによって新しい医療が生み出され、東洋と西洋に分かれて現代の医学にまで発展し続けてきました。この長い歴史の中で約5000年間分のデータや実績が蓄積され、現代の医療業界の市場規模は、日本国内だけで数百兆円にのぼると言われています。
一方、Webマーケティングというものが始まったのは、せいぜい15年前で、本格的なデータマーケティングが始まったのは数年前のことです。また、Webマーケティングの市場規模も1兆円程度と言われています。これだけの歴史と市場規模の差があるとおり、Webマーケティングは絶対的にサンプル数が少なく、また市場規模が小さいことで技術の進歩もゆっくり進んでいます。今後、Webマーケティングの必要性が世界中に浸透し、多数の企業が参画して市場が拡大するとともに、長い年月を経ることで、Webマーケティングの精度も向上していくはずです。

今回のまとめ

Webマーケティングの最大の利点は、数値的に効果測定ができるところであるのは間違いありません。しかし、その数値は、盲目的に信用するにはあまりにも弱すぎます。Webマーケティング会社を謳いながら、非常に矛盾した記事であることは承知していますが、それでもこれが現実です。
私たちWebマーケティング会社は、こうした限られたデータではありますが、できる限りたくさん収集してクライアントに提供し、その中で最善と思われる修正や施策を繰り返しながら(何度もトライ&エラーを繰り返しながら)、一歩一歩事業を前進させることができるよう努力しています。
Webマーケティングは、何もかもがデータで手に取るようにわかり、それを淡々と改善していくことで成功に向かって突き進むことができるような甘い世界ではありません。

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