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ホームページ制作にIT補助金を活用しない方が良い3つの理由
2020
.09.08
数年前から経済産業省がIT導入補助金(通称:IT補助金)という補助事業を始めました。名前のとおり、この補助事業は、企業のITツール導入を女性するための補助金を支給するものであり、ホームページ制作も対象となります。
一昔前までは、このIT補助金を使ってホームページ制作を行うことも良い選択でしたが、現在の補助事業の内容を見ると、ホームページ制作に活用しない方が良い点の方が上回っています。
そこで今回は、中小企業がホームページ制作にIT補助金を活用しない方が良い3つの理由をお伝えします。
【目次】
1.IT補助金の概要
2.ホームページ制作にIT補助金を活用しない方が良い3つの理由
a.ホームページの制作期間・時期が限定的
b.採択率が低い
c.5年間の業績報告義務がある
3.ホームページ制作にIT補助金が適さない背景
4.今回のまとめ
【目次】
IT補助金の概要
IT補助金とは、経済産業省が実施する補助事業の一つで、中小企業・小規模事業者のITツール導入費用の一部を助成するものであり、企業の売上や事業効率の向上に資するものです。
また、資金的な余裕がない企業がIT補助金を活用して念願のITツールを導入することで、日本企業のIT化とさらなる経済成長を促すものです。
補助金額は、実施年度によって異なりますが、実際にかかった経費の2分の1が支給されることが大半です(ただし、支給金額の上限あり)。つまり、企業がIT補助金を活用して200万円のITツールを導入した場合、その半分の100万円が国から支給される大変嬉しい補助金です。
ホームページ制作にIT補助金を活用しない方が良い3つの理由
そんな素晴らしいIT補助金ですが、ホームページ制作に活用する場合は注意が必要です。特に、集客のためのホームページを制作する場合は、IT補助金の活用を見送ることを強くお勧めします。
ホームページの制作期間・時期が限定的
まず、IT補助金は、募集時期が明確に定められています。また、めでたく採択された場合は、実施期間(ホームページを制作する期間)も明確に指定されます。
例えば、「募集期間は7/1〜8/31で、採択後10/15までに実施完了すること」といったように、あらかじめスケジュールが定められており、これを1日でも超過すると補助金が支給されません。なお、実施後の完了報告は全てオンラインで行いますが、締め切りギリギリに行うと、サーバーダウンしていることもあるため、余裕を持って締め切り数日前に完了報告しておく必要があります。
つまり、今からホームページを制作したくても、IT補助金の募集期間が半年後であれば、それまで制作を待たなければなりません。もちろん、そこまで待って応募しても、採択されないことも十分にあります。
また、制作期間も1ヶ月半ほどと非常に短く、ホームページ制作の色々な工程を端折らなければ到底間に合いません。
採択率が低い
IT補助金が始まった数年前は、採択率が100%近くあり、申請すればほとんどの確率で採択されるという「美味しい」補助金でした。しかし、年々知名度が増し、今では毎年大量の申請がある中から選ばれる狭き門となり、採択率も10%を切る熾烈な争いが繰り広げられます。
これはどの補助金にも言えることですが、補助金事業が始まったばかりの頃は知る人ぞ知る美味しい補助金ですが、年々申請する人が増え、最後は採択率一桁の厳しい補助金になってしまいます。
募集期間まで待って、そこから頑張って申請したにもかかわらず、採択されないのであれば、いますぐにホームページを制作してしっかりと集客できる体制を整え、1日でも早く集客につなげた方がよほど儲かります。目先の100万円に振り回されるよりも、集客できるホームページを制作して業績を向上させる方が得策です。
5年間の業績報告義務がある
最後に、IT補助金には、受給後5年間に渡り業績の報告を行うルールがあります。経済産業省としても、大規模な金額を支給するからには、その結果としてどれだけ業績向上に役立ったのかを調査しなければならないため、受給した企業に業績報告の義務を課しているのです。
この毎年の業績報告が地味に面倒であり、また、制作会社などに対して自社の決算情報などを公開しなければなりません。そのため、100万円を受給するためだけに将来5年間に渡って事務手続きが発生し、会社の決算情報を開示するデメリットの方が遥かに大きいと思います。
ホームページ制作にIT補助金が適さない背景
そもそも、IT補助金という補助事業は、ホームページ制作を想定していません。会計ソフトやCADなど、すでに出来上がっているソフトやシステムを企業が導入するために設けられた補助事業のため、実施期間が短期間に設定されています。(補助金ができたばかりの頃は、ホームページ制作は対象外でした。)
出来合いのソフトやシステムを導入するだけであれば、契約書を交わしてインストールし、せいぜい初期設定くらいで完了しますので、1〜2週間で完了します。そこから完了報告を行ったとしても、十二分に間に合います。
そこに無理やりホームページ制作を対象としたためにスケジュール的に無理が生じ、それでもねじ込んでホームページ制作を行ってしまうと、大慌てで制作したボロボロのホームページが出来上がってしまいます。
今回のまとめ
今回ご紹介したように、ホームページという会社の命運を強く握るツールを、現行のIT補助金を活用して制作することはあまり得策とは言えません。目先の100万円をもらうために、色々と妥協や不完全な部分が出てしまい、結果としてホームページの集客力を低下させ、将来の数千万円・数億円を失うことにもつながります。
しっかりと集客するためのホームページを制作する場合は、(非常に惜しいですが)IT補助金の活用を見送ることをお勧めします。
※本記事に記載のIT補助金の制度や内容、採択率等について、弊社は一切の責任を負いかねます。必ず、経済産業省や補助金事務局等に確認ください。また、IT補助金を活用してホームページ制作をしない方が良いという主張は、あくまでも弊社の私見であり、企業の経営状況や財務状況等によってその是非は異なります。