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ホームページ制作でも重宝されるロゴを制作するコツ
2023
.12.11
現代では、特別な知識がなくても直感的な操作で簡単にWEBサイトが制作できるサービスがあります。さらに、Canvaなどの誰でも簡単にグラフィックなどのデザインを制作できるツールも存在しており、今後もWEBサイトが手軽で簡単に制作できるようになっていくでしょう。
そんな多くのWEBサイトには、「ロゴ」と呼ばれる組織名・製品名・ブランド名・雑誌名・サービス名などを図案化した文字列が表示されています。このロゴは、WEBデザインだけ表示されるだけではなく、名刺や販促ツール、書籍や、CMやチラシなどの広告媒体から看板にいたるまで、あらゆる場面で使用されるので、単にロゴを制作するだけではなく、使用する場所や媒体に応じた使用方法の規定を含めて考えなければなりません。
弊社でも、WEBサイトと一緒にロゴを制作依頼をいただくケースも増えています。そこで今回は、WEBデザインでも重宝されるロゴを制作するコツをご紹介します。
【目次】
1.ロゴの種類
a.ロゴタイプ
b.シンボルマーク
c.ロゴマーク
2.ロゴのデザインを良くする3つのポイント
a.シンプルでわかりやすいロゴデザインにする
b.流行や時代の変化に左右されにくいロゴデザインにする
c.世界観が適切に伝わり覚えやすいロゴデザインにする
3.ロゴ制作の流れ
a.1.伝えたいコンセプトや表現したいイメージを明確にする
b.2.ロゴに使用するモチーフや配色を決める
c.3.手描きやデザインソフトなどでアイデア出しをする
d.4.実制作とブラッシュアップ
e.5.ご提案
f.6.ガイドラインの作成
g.7.納品
4.今回のまとめ
ロゴの種類
ロゴには、大きく分けて以下の3つの種類があります。ロゴタイプのみ、シンボルマークのみ、両方を組み合わたロゴマークが存在しており、それぞれのタイプには以下のような特徴があるので制作したいロゴのイメージによって種類を決めるようにしましょう。
ロゴタイプ
ロゴタイプとは、組織名・製品名・ブランド名・雑誌名・サービス名などを示す文字を、装飾的に表したものを指します。
シンボルマーク
シンボルマークとは、会社の理念や、業種や製品の特徴を表すイメージなどを図案化したものを指します。
ロゴマーク
ロゴマークとは、前述したロゴタイプとシンボルマークを組み合わせたものを指します。シンボルマークとロゴタイプを組み合わせることにより、企業のイメージを印象付けながら、名前を覚えてもらいやすいというメリットがあります。その他にも、キャッチコピーと組み合わせたロゴもあります。また、ロゴにキャッチコピーを入れることにより、ユーザーがひと目で企業の事業を把握しやすくなります。
ロゴのデザインを良くする3つのポイント
ロゴは会社やブランドの「顔」になり、運営をしていくうえで重要なシンボルになります。そのため、以下の3つのポイントに注意してより良いロゴを制作するようにしましょう。良いロゴを制作することが出来れば、会社にとって良いブランディング要素のひとつにすることができるでしょう。
シンプルでわかりやすいロゴデザインにする
ロゴは、会社の理念や業種や製品の特徴を表すイメージなどを瞬時に伝えられるものでなければいけません。そのため、ロゴを制作する際には、シンプルでわかりやすいデザインにするように心がけることが大切です。絵画のように細部まで描き込まれたデザインや写真によるデザインの表現は大変美しいものですが、ロゴにはあまり適していません。どれだけ細部までこだわって制作したとしても、サイズを変更した際にデザインがつぶれて見えにくくなってしまう場合もあります。使用できる場面が制限されると、ロゴとして好まれづらいでしょう。また、ロゴの使用用途は多岐にわたるため、配色やサイズが複雑にならないように注意が必要です。たとえば、モノクロ印刷、カラーで使用する場合でもWEBなどのディスプレイで使用するRGBと、印刷で使用するCMYKでは色の再現度がかなり異なります。使用場面が変わっても同じ企業ロゴだとわかるようなわかりやすさを心がけましょう。
流行や時代の変化に左右されにくいロゴデザインにする
一度制作したロゴは、永遠に使用しなければいけないものではありません。現在存在している歴史ある企業の多くも、ロゴのアップデートをしています。しかし、メインとなるロゴイメージは、どの時代でもユーザーの記憶に残るものであることがほとんどです。ロゴのデザインを決める際には、流行や時代の変化に左右されにくいモチーフやイメージを選択することが重要です。また、時代の変化に応じて変化させていくことも検討してみるのも良いでしょう。
世界観が適切に伝わり覚えやすいロゴデザインにする
ロゴを制作するうえで最も重要なことは、対象となるユーザーに覚えてもらいやすいデザインにすることです。そのため、ロゴを制作する際には印象的でユーザーの記憶に残るデザインにする必要があります。たとえば、低価格が売りのお店のロゴに華奢で繊細な印象のフォントが使用されていた場合、ターゲットにはどのように伝わるでしょうか。おそらく、多くのターゲットは高級店のような印象を感じてしまい、実際の店舗の印象とのギャップが生まれてしまうでしょう。制作するロゴは、世界観が適切に伝わり覚えやすいものでなければなりません。そのため、ロゴを制作する際には常に会社の伝えたいイメージや理念などの伝えたい想いを念頭に置いて、意識して制作するようにしましょう。
ロゴ制作の流れ
前述したロゴのデザインを良くする3つのポイントをふまえて、実際にロゴを制作する際の流れをご紹介します。
1.伝えたいコンセプトや表現したいイメージを明確にする
案件を受注したら、まずは会社の規模やブランドの事業規模を確認し、スケジュールや予算について検討します。また、事業やブランドについても詳細にヒアリングするようにしましょう。このヒアリング内容を整理し、コンセプトの元となるキーワードを抽出していきます。ロゴは、会社の理念や業種や製品の特徴を表すイメージなどを瞬時に伝えられるものでなければいけません。瞬時に会社のメッセージが伝わるロゴを制作するためには、はじめにシンプルかつ明確なコンセプトを決めておくことが重要です。ロゴに込めたい想いや、ロゴを通してユーザーにどのようなイメージを持ってもらいたいかなど、ロゴを制作する目的を整理し、コンセプトを決定しましょう。また、どのような場面でロゴを使用するのかなどの使用面についてもこのタイミングで把握しておくようにしましょう。
POINT
会社の理念や歴史、競合他社などについても調査してからコンセプトを考えるようにしましょう。
2.ロゴに使用するモチーフや配色を決める
ロゴのコンセプトやイメージが決まったら、使用するモチーフや配色を決めます。会社が提供する商品やサービス、想いなどを連想しやすいモチーフや配色を選択すると良いでしょう。
たとえば、カフェのロゴを制作する場合、カフェに関する何をロゴにするか考えてみましょう。そうすると、「ティーカップ」や「コーヒー豆」などのモチーフのアイデアが出てきます。
その他にも、会社名が「ロゴタイプ株式会社」であれば、イニシャルをモチーフにするというアイデアもあります。「ロゴ」の「L」をモチーフにしたり、「ロゴ」「タイプ」のそれぞれの頭文字「LT」をモチーフにするなどのアイデアもあります。自由にいろいろなモチーフのアイデアを考えてみましょう。
また、モチーフは必ず具体的な形で表現しなければいけないとも限りません。たとえば、先ほどの「ティーカップ」や「コーヒー豆」などはとても具体的なモチーフです。しかし、業種によっては、こういった具体的なモチーフで表現するのが難しい可能性もあります。その際は、抽象的なモチーフを使用しても良いでしょう。
POINT
使用するモチーフはできるだけわかりやすいものにすること、配色はユーザーの心理効果(赤=情熱的なイメージ等)を考慮して選択するようにしましょう。
3.手描きやデザインソフトなどでアイデア出しをする
ロゴに使用するモチーフや配色が決まったら、手描きやデザインソフトでラフ(下書き)を制作し、イメージを膨らましていきます。ロゴの原案になるので大切な作業です。アイデアを広げるために、形のバランスなどは気にせずに思いつくままアイデア出しをしていきましょう。ここでは幅広く検討し、同時にコンセプトも考案していきます。
POINT
ロゴのギャラリーサイトや他社のデザインも参考にしながら、数多くのアイデアを出すようにしましょう。
4.実制作とブラッシュアップ
アイデアを元に、実際にロゴの形に仕上げていきます。弊社では、Adobe Illustratorを使って、ラフのなかから絞りこんだロゴを描き起こし、ディテールを整えていきます。また、ロゴタイプで使用するフォントは既存のフォントをそのまま使用することは少なく、作字する場合と既存のフォントをベースに微調整を行う場合が多いです。微調整を行う場合のベースとなる既存のフォントは、フォントが持つ印象だけでなく、その書体が生まれた歴史的な背景などから選定しています。
原案となるロゴが完成したら、色味やイメージの見え方の確認を行います。プリントアウトして確認したり、PCやスマートフォンなどのディスプレイを通して確認するようにしましょう。見る色と印刷した色では微妙に印象が異なるため、プリントアウトしたときの色味もチェックしておく必要があります。
当然ですが、画面で見た場合と紙で見た場合ではロゴの印象がだいぶ変わります。設定にもよりますが、たいていの場合は画面で見るほうが紙で見るよりも明るく見えます。その明るさを紙でも表現したいのか、それとも紙面上の色味や明るさのほうがイメージに近いのかなどをこのタイミングで確認してみると良いでしょう。また、パソコン上では細かく再現できていた部分がプリントアウトしてみると潰れて見えなくなる場合もあるので、細部までチェックする必要があります。ロゴのラインの太さや形によっては見え方が変わる可能性があるので、プリントアウトした紙を壁に貼り、近くで見てみたり離れて見るのもおすすめです。
確認後は、色の濃淡や明度・彩度などを調整しながらブラッシュアップを行い、複数の原案から候補を絞り込みます。
POINT
ロゴの印象は少しの違いで大きく変わるため、線の太さや曲線の大きさ、色のバリエーション、ロゴマークの組み方など、あらゆるパターンを検証し、最適なものを絞り込んでいきましょう。
5.ご提案
ロゴが確定したら、コンセプトや意図をまとめた提案資料を作成し、お客さまにご提案します。プロダクトなどに使用するロゴの場合、より具体的なイメージがしやすいようにモックアップなどを制作しても良いでしょう。実際にロゴを使用する状態に近い形でプレゼンテーションを行います。
また、制作したロゴの一覧がまとまった資料を用意し、お客様が各ロゴを比較・検討しやすいようにしておくことも、資料作りで心がけています。
6.ガイドラインの作成
ご提案したロゴの中から方向性を決め、修正とブラッシュアップを行い、ロゴを決定します。
必要であれば、ブランドのイメージを正しく伝えるためにガイドラインを設けましょう。このガイドラインには、ロゴを使用する人によってブランドの印象が変わるのを防いだり、ロゴを扱う際の迷いを軽減させる効果があります。ロゴの表現を統一し、一貫性を保ちながら展開していくことで、正しいブランド展開ができるようになるでしょう。
代表的なガイドラインの項目例
ガイドラインは、一般的に以下の項目で構成されることが多いです。
最小表示サイズ…デジタル媒体と印刷媒体の最小表示サイズの指定
アイソレーションエリア…ロゴの前後左右に設ける余白エリアの指定
スタイル…ロゴを使用する際の優先度や組み合わせの指定
ロゴカラー…CMYK・RGB・特色などのカラー指定
背景色カラー…背景色ごとのロゴの表示色の指定
使用禁止例…ロゴの使用方法の指定
7.納品
使用する媒体に応じて印刷物やWEB用のファイル形式でデータを用意して、納品します。
今回のまとめ
今回は、WEBデザインでも重宝されるロゴを制作するコツをご紹介しました。ロゴは、会社の理念やサービス内容、品質などをイメージ化できる大切なデザイン要素です。
納得のいくロゴを制作するためには、なんとなく制作するのではなく、ご紹介したポイントを押さえた事前準備が大切です。会社にとって重要な情報を紐解きながらロゴデザインへ落とし込むことができれば、それは会社にとっても大切な財産となります。
弊社では、WEB制作を含むプロジェクトにおいて、ロゴ制作も承っております。新規で展開するWEBサイトに合わせてロゴを制作したい方や、WEBサイトのリブランディングに伴うロゴを見直したい方は、お気軽にご相談ください。