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WEBデザインにおける日本と外国のデザインの違い
2022
.09.22
昨今では多言語に対応したグローバルサイトや、日本の企業のホームページにも諸外国からの問い合わせを想定した外国語ページの設置も珍しく無くなってきました。普段生活している中では他言語のホームページを見る機会は多くはありませんが、グローバルサイトの他言語表示や企業ホームページの外国語ページを見るだけでも、言語の違いにより文章量が大きく変化し、デザインのレイアウトなどに差異が生まれることが見て取れます。もちろん外国のホームページになれば言語の違いだけでなく何を重視されるかも含めて日本のデザインとは違いが生まれてきます。今回は、外国の洗練されたホームページを見ることがギャラリーサイトを紹介するとともに、WEBデザインにおける日本と外国のデザインの違いをご説明します。
【目次】
1. 外国のWEBデザインがまとめられたギャラリーサイト
a.Web Design Clip(World)
b.MUUUUU.ORG
2. 日本と外国におけるデザインの大きな違い
a.言語の違い
b.ユーザーが求める情報の違い
3.今回のまとめ
外国のWEBデザインがまとめられたギャラリーサイト
外国のWEBデザインをチェックするにしても、検索から辿り着くのには限界があります。洗練されたホームページがストックされたギャラリーサイトには、外国語のホームページをまとめたギャラリーサイトもあるので活用してみましょう。また、WEBデザインのデザイン賞とも言われる外国のアワードサイトも更新頻度が高いため、チェックしてみると良いかもしれません。
Web Design Clip (World)
レイアウトや配色など直感的にWEBデザインを検索することができるWeb Design Clipでは、一覧上部のタブを切り替えることでWorld版のデザインをチェックすることが可能です。英語圏だけではなく中国、韓国のホームページまで幅広くまとめられており、世界の多彩なWEBデザインをチェックすることができます。
MUUUUU.ORG
東京の制作会社が運営する、制作現場目線の洗練されたWEBデザインが紹介されているMUUUU.ORGでは日本のホームページに加え、外国のホームページも多く掲載されています。一覧表示の数が多く様々なWEBデザインを俯瞰して比較することもでき、日本と外国のWEBデザインの違い、当記事の趣旨には矛盾しますが日本のWEBデザインが外国のWEBデザインに寄ってきている部分なども観察することができます。
日本と外国におけるデザインの大きな違い
一般的にデザインの分野において海外と日本のデザインを比較した際、なんとなく海外のデザインの方がおしゃれ、洗練されていると感じる方は多いはずです。前述のギャラリーサイトにある外国のWEBデザインと日本のWEBデザインを比較しても、外国のホームページの方がすっきりしていて洗練された雰囲気があるのは否定できません。しかし、それは日本のWEBデザインが稚拙で完成度が低いというわけではなく、デザインの要素としての言語や日本人ユーザーが重視する情報に大きく関わってきます。
言語の違い
例えば英語圏のホームページで主に使われているのは当然英語で、アルファベット26文字や一部の記号を組み合わせて文字は構成されています。日本のホームページで主に用いられているのは当然日本語ですが、日本語はひらがな五十音に加え濁音、半濁音などを含めて100文字近く、カタカナが同様の文字数ありひらがなと合わせて200文字近く、常用漢字が約2000文字あるため、約2200文字からの組み合わせで文章が構成されます。文字の数が多ければ多いほど雑然とした印象にはなるため、英語圏のホームページが日本のホームページに比べすっきりとして見える、というのはある意味当然のこととも言えます。また、WEBデザイン上で使用されるWEBフォントの数も日本語に比べ欧文フォントは圧倒的に多く、洗練されたフォントも豊富であるため、そこにもデザインの差は生まれてきます。また、日本のホームページではデザインの装飾などに英語も使用されるケースが多いため、日本語と英語という異なるデザイン要素が混在しているケースがほとんどです。
ユーザーが求める情報の違い
日本における「デザインの敗北」の事例として、セブンイレブンのコーヒーメーカーの操作表示が分かりづらくテプラを貼られてしまう事例や、ローソンのプライベートブランドの商品の区別ができないという事例がありました。ブランディングの観点ではこれらの事例は間違ったことではありませんし、これらの施策では格ブランドの売り上げはむしろ伸びている側面もあるのですが、「分かりにくさ」という一点で批判を受けたこともまた事実です。WEBデザインにおいても日本人が情報に重視するものが「分かりやすさ(ベネフィット)」です。ボタンはボタンだと分かりやすく、文字は読みやすい大きさに、親切に情報を組み込んでいくことでデザイン要素は多くなっていきます。しかし、これは全く悪いことではなく、むしろユーザーに分かりやすいWEBデザインというのはGoogleの方針とも一致した一つの正解でもあります。英語圏など諸外国ではインタラクティブな動きや革新的な発想をもったWEBデザインなど、ブランディングを重視したWEBデザインが多い一方、自社の考えや強みをユーザーに対して分かりやすく伝えていくのが日本のWEBデザインの傾向とも言えます。
今回のまとめ
外国と日本のデザイン、どちらが優れているというわけではなく、ユーザーに適合しているかどうか、ということが一番重要です。一方で日本でもブランディング、デザインの重要性は日に日に認知されるようになり、WEBデザインもある意味で外国的になってきているため、洗練された外国のWEBデザインと情報伝達に優れた日本のWEBデザイン双方をチェックし、ブランディングと分かりやすさを両立したWEBデザインができるようになりましょう。